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2024年4月30日
週間で日経平均は4勝1敗、反発するが円安メリットは感じられず
新年度が始まって4週間が経過しました。同時に株式市場の調整局面入りは5週間が過ぎ、相場状況は一段とむずかしくなっています。
それでも先週の東京株式市場は、TOPIXが反発しました。その上昇率は+2.29%で、前週の▲4.83%には届きませんが、それなりの大きさで値を戻しました。
日本は週末からゴールデンウイークに突入し、その直前の4月25ー26日の予定で日銀の金融政策決定会合が開催されています。先週はそれが市場における最大の関心事となりました。
現在のマーケットでは34年ぶりの円安・ドル高が進行しており、日銀による政策金利の変更、あるいは為替市場での円買い介入がいつ入るか、というピリピリした心理状態が週を通じてマーケットを支配しました。
結果的に金融政策は据え置きと決定され、3連休2日目の現在も介入が入った形跡はありません。日米ともに決算発表シーズンとなり、業績の動向やここからの経営スタンスも非常に気になります。
動きにくい状況と言えば、これ以上の動きにくさもありません。そういう中にあってGW目前の日経平均は週5日の立ち合い日数のうち、4勝1敗で取引を終えました。
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規模別指数では、大型株指数が+2.43%の反発を示し、それに対して小型株指数は+2.09%にとどまりました。大型株が有利の展開が続いています。
スタイル別では、前週とは反対にグロース株が優位を保ちました。TOPIXバリュー株は+1.88%の反発に対して、TOPIXグロース株は+2.74%と上昇が目立ちました。大型グロース株と小型バリュー株が優勢という、めったに見られない組み合わせでした。
全面安と全面高が交互に訪れる不安定な日が多かっためか、騰落レシオは93.35%まで低下しました。日経平均のサイコロジカルラインは「5」~「6」を続け、週末は「6」の中立状態で引けています。
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TOPIX-17業種のうち、値上がりセクターは15業種に広がり、値下がりセクターは2業種にとどまりました。
値上がり上位のセクターは「商社、卸売」、「金融(除く銀行)」、「建設、資材」でした。
「商社、卸売」は市場の関心がインフレ動向に集中していることを見事に反映しています。総合商社が総じてしっかりしており、住友商事(8053)が上場来高値を更新し、伊藤忠(8001)、丸紅(8002)、三井物産(8031)も逆行高となりました。
また専門商社にも強い動きが見られます。先行した半導体商社は伸び悩んでいますが、トーメンデバイス(2737)、たけびし(7510)、長瀬産業(8012)、西華産業(8061)が堅調です。
「金融(除く銀行)」では東京海上HD(8766)、第一生命HD(8750)の生損保が堅調です。金利上昇、物価上昇に強い保険株に資金が流れています。
「銀行」セクターでもすべてではないにせよ堅調な銘柄が目立ちました。コンコルディア(7186)、千葉銀行(8331)、群馬銀行(8334)、七十七銀行(8341)が年初来高値を更新しています。
「建設、資材」では積水ハウス(1928)、コムシスHD(1721)、ユアテック(1934)、エクシオHD(1957)、鉄建建設(1815)など、セグメント化された銘柄が堅調でした。
値下がりセクターの上位は「電力・ガス」、「エネルギー資源」、「自動車、輸送機」となりました。
「電力・ガス」ではこれまで逆行高を示し、上昇力の強かった電力株が総じて軟調でした。それでも東京ガス(9531)、大阪ガス(9532)に堅調な動きが見られます。
「自動車、輸送機」ではトヨタ紡織(3116)、デンソー(6902)、アイシン(7259)、フタバ産業(7241)、愛三工業(7283)など、決算発表を行ったトヨタグループ各社の下落が顕著でした。
決算発表を行ったトヨタグループ各社は、今期の業績見通しに関して慎重なスタンスを取っているところが物足りないと見られているようです。
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3月決算企業の決算発表、第1週目の主だった企業は以下のとおりです。
ニデック(6594)3期ぶり最高益、産業用モーター、EV部品が回復
<2025年3月期の見通し>
売上高:2兆4000億円(+2%)
営業利益:2300億円(+41%)
純利益:1650億円(+32%)
ファナック(6954)
(後略)