ブログ

2024年3月26日

中銀ウィークが通過して日経平均、NYダウともに最高値を更新

鈴木一之

能登半島地震で被害に遭遇された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

@@@@@

鈴木一之です。春分の日も過ぎて、昼間の時間が長くなりました。サクラの開花は予想よりも遅れていますが、いよいよ春爛漫。夏に向けてGO、の季節となります。

株式市場は早くも調整一巡の様相です。先週末は日経平均が2日続けて史上最高値を更新し、日米そろって株価は堅調です。

決め手は「中央銀行ウィーク」を無事に通過したことです。無事の通過どころか、願ってもいないほどのマーケット・フレンドリーな結果となりました。

@@@@@

最初に動いたのは日銀です。先週は週明けの2日間、金融政策決定会合が開催され、ここでマイナス金利の解除が決定されました。17年ぶりの政策金利の引き上げです。

同時にイールドカーブ・コントロールとETFの買い入れの終了も決まりました。2013年春の「アベノミクス」以降進められた、日銀による「異次元の緩和」、大規模な金融緩和政策は大きな転換を迎えたことになります。

すでに1週間前から、報道ベースでは今回の決定内容は報じられていました。そのために決定会合を待たずに週明けから株式市場では大幅な上昇が見られました。日経平均は月曜日に+1032円も上昇し、翌火曜日もマイナスから切り返して、引け値は+263円の続伸となりました。

さらに春分の日の祝日をはさんで、株式市場は木曜日、金曜日も続伸しています。幅広い銘柄、セクターで株価の上昇が見られ、短期的な調整局面にあったマーケットは、日銀によって早くも新高値を更新するほど突き動かされることとなりました。

@@@@@

金融政策での決定の後、火曜日の引け後に記者会見に臨んだ植田・日銀総裁は

「春季労使交渉での妥結状況が重要な判断ポイントだった」
「大規模な金融緩和の解除に必要な、ある種のいき値を超えた」
「賃金と物価の好循環が実現する確度が高まっている」

「大規模な金融緩和は役割を果たした、異次元の緩和は必要なくなった」
「普通の金融政策に戻す」

と述べました。総裁就任から1年も経たないうちに、世界史上でも類を見ない大規模な金融緩和は正常化への歩みを始めたことになります。淡々とした記者会見が印象的でした。

市場の次なる関心は、この先の金融政策です。早くも次の利上げのタイミングとして「今年7月」、「今年10月」の見方が錯綜しています。利上げを催促するようなインフレの芽がくすぶっており、むしろ再び物価上昇が強まっているような部分も見られます。

原油価格は昨年11月以来の80ドル台まで上昇しました。石油化学製品の原料であるナフサ市況も11月比で+17%上昇しています。鋼材市況も上昇含みです。カカオ豆、オリーブオイルが最高値圏に張りつき、金価格も不気味な上昇を続けています。

利上げを迫られる状況は当分は変わりなく続きそうです。

@@@@@

「中銀ウィーク」のもうひとつのポイントが、3月20日(水)に開催された米国のFOMCです。ここでFRBは5会合連続で政策金利の据え置きを決定しました。

注目されたのは、ドットチャートの形状で占めされる経済見通しです。そこでは昨年12月時点の見通しと同様に、今年末の政策金利を4.6%(中央値)と示しました。これは「年3回の利下げ」を示唆しており、従来見通しを据え置いています。

これをマーケットはもろ手を挙げて歓迎しました。記者会見においてパウエル議長は、

「インフレ率は目標の2%に向かって徐々に低下している」
「時には険しい道もあるが、全体的なストーリーは変わっていない」
「QT(量的引き締め)も早いうちにペースを緩めることが適切」

と述べています。楽観的な見方に傾くマーケットが望んでいたことが、ほとんどすべて盛り込まれる内容となりました。

懸念されている景気の後退はなく、むしろ予想を上回るほどの好調さが続き、FRBは経済見通しを上方修正しています。それでも利下げがまもなく始まる、という決定が重なってNYダウ工業株は4日連続で史上最高値を更新しています。

しかも今回の決定会合では「中立金利」の引き上げまで行われました。中立金利は「中・長期的に安定する政策金利の水準」ととらえられ、現時点における米国の潜在成長率に近いものです。それが12月時点の2.5%から、今回は2.6%へと+0.1ポイント引き上げられました。

市場では全体を通して「かなりハト派的なトーン」、「満額回答」との声が聞かれ、リスクオンのスタンスが強まっています。

今年のマーケットの主要テーマは、引き続き「利下げ」であることが確認されました。ソフトランディングへの期待から、日米ともに株式市場での物色対象が一段と広がっているように見えます。

@@@@@
@@@@@

先週の東京株式市場は、TOPIXが反発しました。前の週に7週ぶりに下落しましたが、すかさず切り返しています。上昇率は+5.33%に達し、前週の下落分(▲2.05%)をすっかり取り戻しました。

規模別では、大型株が+5.95%の大幅高となり、中型株(+4.33%)、小型株(+3.51%)を上回りました。引き続き大型株が優勢です。

スタイル別でも、大型・バリュー株(+5.87%)と、大型・グロース株(+5.09%)がそろって上昇を牽引しています。バリュー株の優位性が目立ちます。TOPIX配当100指数は11週ぶりに下げたあとに早くも反発しました。

幅広い上昇が見られたことから、騰落レシオはようやく過熱圏とされる120%を超えました。週末は125.97%まで上昇しています。2月5日の週以来のことです。日経平均のサイコロジカルラインは「5」から「6」に達した水準です。

@@@@@

TOPIX-17業種のセクター別騰落は、17業種すべてが上昇しました。

値上がりトップ3は「自動車・輸送機」、「不動産」、「銀行」です。いずれもバリュー株に属するセクターです。

「自動車・輸送機」はトヨタ自動車(7203)が上場来高値を更新しました。日銀のマイナス金利解除にもかかわらず、為替市場で1ドル=151円台まで円安に進んだことが刺激材料となっています。

デンソー(6902)、豊田自動織機(6201)がそろって上場来高値を更新し、トヨタ紡織(3116)が8日続伸しました。日産自動車(7201)も8連騰、ホンダ(7267)が最高値を更新と、トヨタグループ以外でも活躍銘柄が相次いでいます。

「不動産」では三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、住友不動産(8830)などの大手不動産がそろって大幅高となりました。日銀のマイナス金利の解除後も金融緩和はまだ続く、との見方が前面に出て不動産セクターを押し上げています。

「銀行」は、マイナス金利の解除がより直接的に収益に好インパクトを与える業種として注目されています。三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)を筆頭に、地銀株までほぼ全面的に物色されました。

反対に値上がりの小さかったセクターは「電力・ガス」、「医薬品」、「運輸・物流」です。

「電力・ガス」は、前週の上昇が大きかっただけに、先週は上げ一服となりました。循環物色が速度を増しています。それでも東北電力(9506)、中国電力(9504)、九州電力(9508)など、地方電力株が堅調を維持しました。

「運輸・物流」でも大きく下落する銘柄は見当たらず、それどころかC&Fロジホールディングス(9099)に対するAZーCOM丸和ホールディングス(9090)の「合意なきTOB」が表面化しました。

PBR1倍割れ銘柄にはあらゆる方面から買い手が現われます。

@@@@@

現在の株価の堅調さは金融政策ばかりでなく、企業の業績面からの貢献も忘れてはなりません。「会社四季報」の最新号が発売され、来期・2025年3月期の業績に早くも視線が向けられています。

日経平均採用銘柄225社の1株当たり利益は来期も+10%近く伸びる見通しです。

電機、精密が牽引役で、この利益水準に「PER(株価収益率)で16倍」を掛け合わせると日経平均は41,000円台になるとのことです。そのレベルまで現在の株価は織り込んできたということになります。

米国では引き続きエヌビディアが人気の中心です。先週も5日間続けて上昇し史上最高値を更新しました。NASDAQの上げを牽引しています。

エヌビディアはこれで週間では16週連続で上昇しています。今年中に

(後略)

日本株に関する情報をいち早くゲット!

ここでしか読めないメールマガジンを配信しています。
登録無料!

鈴木一之