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2020年12月1日

NYダウに続いてNASDAQも最高値を更新、日経平均は26,000円台を維持

鈴木一之

◎日経平均(27日大引):26,644.71(+107.40、+0.40%)
◎NYダウ(27日終値):29,910.37(+37.90、+0.12%)

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鈴木一之です。11月も終盤です。日に日に寒くなってきました。

先週も世界各地で株式市場の高値更新が続く、きわめて堅調な1週間でした。高値警戒感はあるものの、企業業績の急回復を背景に投資資金が戻ってきています。

NYダウ工業株は週の初めに史上最高値を更新した後、今度は休養していたが週半ばに最高値を記録しました。「GAFA」に頼らないNASDAQの上昇の再開がテクノロジー革命の本気度を物語っているように感じます。

先週は現在の株高を支えている好材料があらためて確認されたような週でした。

(1)ワクチン開発

コロナウイルスの感染拡大が続いており、米国では感謝祭の休暇を家族で過ごすのは控えるよう政府からのアナウンスが出されています。週初にはアストラゼネカからもワクチン開発に成功しそうだとの明るいニュースが届きました。ファイザー、モデルナに続いて3例目のワクチンとなります。

(2)バイデン新政権

米大統領選に関してはまだはっきりと結論が出てはおりません。ただ、全米各地で票の再集計がほぼ完了し、トランプ大統領の勝ち目はますますなくなっています。ご本人はまだ敗北を認めてはいませんが、メディアの伝えるところでは、頑固な態度も徐々に軟化している様子です。

(3)米国の閣僚人事

バイデン氏は着々と新政権への準備を進めており、先週は財務長官としてジャネット・イエレン前FRB議長が就任するとの報道がありました。左派のエリザベス・ウォーレン氏の名前が挙がっていただけに、この人事構想が金融市場に安堵をもたらしたことは事実です。

以上のように、先週は上の3つの要因が重なって、世界同時株高に拍車をかけたようなところがあります。これによって空前絶後の「財政拡張、金融緩和」がさらに長く続くという見通しが大勢となり、「いいとこどり」と言われても仕方のないほど、11月の株式市場には朗報が続いているように感じます。

いずれどこかで調整局面が訪れることになるのでしょうが、東証1部の個々の株価の動きを見ている限りでは、押さえつけられていた頭上の重石がとれて自由にのびのび動き始めたばかり、という感じを受けます。循環物色が効いており、待機していた機関投資家の巨大なマネーが動き出していることも伝わってきます。

図らずも厳しい1年となってしまい、まだとても楽観は許されませんが、今週から始まる12月相場にも期待したいところです。

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先週の東京市場は、TOPIXが4週連続で上昇しました。日経平均は29年ぶりに乗せた26,000円の大台をしっかりキープしています。

引き続き物色の中心は大型株です。先週と同様に、規模別では中型株と小型株がそれに続いています。日経500種平均は4週連続で週足陽線を出し、史上最高値を更新しています。バリュー株よりもグロース株に勢いが戻った週となりました。

ただしマザーズ市場はまだ本調子ではなく、東証マザーズ指数はプラスに転換しましたが、12月のIPOラッシュを前にして小さい値動きにとどまっています。

セクター別の騰落では、TOPIX-17業種のうち、15業種が上昇し2業種が下落しました。

値上がり率のトップは「電機・精密」です。続いて「鉄鋼・非鉄」、さらに「医薬品」、「情報通信・サービス」と続きます。

順位で言えばその次にランクされるのが「素材・化学」と「機械」です。いずれも景気動向に敏感なセクターで、引き続き景気の転換点が問われています。

値上がり上位のセクターは、いずれも前の週に上昇率で下位にランクされたセクターです。それがすかさず翌週に値上がりの上位に登場してきました。出遅れセクターを循環物色する動きが続いており、そのために過熱感が出にくい展開となっています。

少し休んでは上昇し、上昇しては少し休むという、まさに機関投資家の買い方です。それも外国人投資家の戦法と言えるでしょう。

値下がりしたセクターは「電力・ガス」と「銀行」の2業種です。原油価格が急速に上昇しており、WTI先物は45ドル台をつけました。コロナ危機は原油を含む1次産品の供給面に制約をかけており、供給量が細りがちとされています。

そこに世界的な財政・金融面での大規模な経済対策が加わって経済活動が徐々に活発化し始めています。値上がりトップとなった「電機・精密」も、値上がり下位となった「電力・ガス」も、どちらもEVや充電器、太陽光・バイオマス発電など、エネルギー問題に直結して動いていると見られます。

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一通り全体像を概観した上で、気になる銘柄をランダムに列挙しておきます。

(サービス業)

JACリクルートメント2413、エスエムエス2175、メンバーズ2130、

(後略)

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鈴木一之