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2022年1月31日

世界中の株価が急落、日経平均は週後半に26,000円割れ寸前まで下げる

鈴木一之

◎日経平均(28日大引):26,717.34(+547.04、+2.09%)
◎NYダウ(28日終値):34,725.47(+564.69、+1.65%)

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鈴木一之です。1月相場の最終週も厳しい展開が待ち構えてました。日経平均が26,000円を割り込む寸前まで下落しています。

波乱の幕開けとなった2022年相場。1月が早くも終わろうとしていますが、株価は最終週まで容赦ない下落スピードを維持したままとなりました。かつて何度も通ってきた下落局面とはいえ、目の前で大きな下げに直面すると気分は落ち込みます。それは確実に経済にも影響します。バブル崩壊の直後やアジア通貨危機の時期など、かつての暗い世相を何十年ぶりかで思い出したほどの週末となりました。

わずかな救いとしては、日米ともに金曜日の引け際に株価が反転の兆しを見せ始めている点です。嵐は小康状態を迎えたのか、それとも反転攻勢をかける援軍を得たのか。週明けはさっそくその点が試されます。

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現在の株価の下げ要因は大きく分けて3つ、あります。(1)オミクロン変異種の感染拡大による医療ひっ迫の危機再来、(2)米国の金融緩和の終了、インフレ高進による利上げ催促、(3)ウクライナ情勢の緊迫化、ロシアの軍事侵攻のリスク高まる。

(1)に関して、新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。1月28日(金)に全国の新規の感染者数は8万1000人を超え過去最高を記録しました。1万人から2万人に大台が大きく変わったのが数日前で、それが一気に8万人に達しました。

東京、大阪が1万人の大台に乗せ、神奈川、愛知もそれぞれの県で最多記録更新です。それに伴って重症者数も徐々に増えており、病床のひっ迫度も高まっています。沖縄や首都圏に続いて大阪、北海道でも「まん延防止等重点措置」が適用されました。

オミクロン変異種はデルタ型と比べて重症化リスクは低いものの、感染力が非常に強い点が特徴です。イギリスの研究結果では、ひとりの感染者からほかに感染するまでの時間が2日前後まで短縮されているそうです。これはデルタ型の半分以下で、それだけいったん広まると猛烈に感染者数が拡大します。

しかも若い世代の感染例が多く、学校や保育所の閉鎖、臨時休校が相次いでいます。そのために保護者が仕事に向かうことができず、経済活動にじわじわとブレーキがかかっています。飲食店などの営業をできるだけ止めないように、コロナ感染だけを封じ込めようと経済再開への工夫を凝らしても、保育所が閉鎖されて保護者の活動に影響が生じるようだと、経済は前に進まず対策を講じるのがむずかしくなってきます。

頼りになるのは3回目のワクチン接種です。高齢の方から始まりました。あとはワクチン調達を急ぐだけとなります。

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(3)のウクライナ情勢から先に記しておきます。

先週は週初からかなり緊迫度の高い状況となりました。ウクライナ国境にロシア軍が10万人も集結し、盛んに実弾での演習を行っています。ウクライナも首都キエフに軍隊の予備役が続々と集まり、いつ戦端が開かれてもおかしくない状況です。

その前の週末、1月21日(金)に米国のブリンケン国務長官とロシアのラブロフ外相がジュネーブで会談を行いました。冒頭のメディア向け記念撮影において、コロナ禍だというのにブリンケン国務長官はあえて「シェイク・ハンド」までラブロフ外相に求めて、会談への本気度を示し、なんとか成果を挙げる姿勢を示したように見えました。しかし目下のところは具体的な進展は何もないようです。

バイデン政権がロシアに示した欧州安保への回答には、依然としてプーチン大統領が求めるNATOの東方拡大停止には反対しているそうです。そうであればロシアがウクライナ国境から軍を引き上げることはなく、兵站への関与を高めます。欧米諸国もウクライナへの軍事物資の支援を急いでいます。

いよいよ今週末は北京五輪が開幕を迎えます。五輪期間中に軍事紛争が起こるようだと、ロシア選手に対する選手側、大会運営側からのボイコットが相次ぐことも考えられるため、大会期間中の軍事リスクは低いだろうと素人考えでは思うのですが、その辺はまるで闇の中です。

経済制裁として国際決済機構からロシアを追い出すとの選択肢も考えられているようですが、そうなると実質的に米国の方が損失を被る可能性もあり得ます。インフレへの許容度が低下している状況では、原油・天然ガス市況の高騰は許されないという事情もあって、紛争ぼっ発を食い止める有効な手立てが見当たらない状態です。

バイデン政権はアフガニスタン撤兵で失態を演じており、同盟国も米国を全面的に信頼することに二の足を踏んでいるようです。すべてはプーチン大統領の考えひとつにかかっています。米ロが直接対峙する紛争は、いったん始まったら簡単には収まらないでしょうから、いやでも緊迫度は高まります。

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しかしやはり先週のマーケットの波乱要因は、何を置いても米国の金融政策が中心となっています。FRBは今年最初のFOMC(公開市場委員会)を1月25-26日にわたって開催しました。声明文には次の3月会合で、政策金利の引き上げることを決定した様子が見て取れます。

パウエル議長の記者会見でも「次の3月会合で利上げに適切な条件が整う」との見解が披露されました。バランスシートの圧縮も「利上げを開始した後に取り組む」と明確に述べられており、いよいよFRBはインフレ抑制に対して本格的に取り組むスタンスを取りました。

これを受けて木曜日の東京株式市場は、日経平均が一時▲900円を超える値下がりを記録しました。年が明けて、株価が大きく値下がりする日が増えています。この木曜日のザラ場安値までの下げが、これまでの下げ幅としては最も大きくなっています。NY市場も月曜日には一時▲1100ドルを超える大幅安から戻っており、いずれのマーケットも値動きが極端に拡大しています。

日米そろって成長性の高い銘柄、グロース株が集中して売られており、中でも小型株がフリーフォールの状態に陥っています。日本の場合はマザーズ市場です。先週もマザーズ銘柄の下げが一段と激しくなっており、東証マザーズ指数は一週間で▲10%を超える下げとなりました。

マザーズから東証1部に上場市場が変わって日の浅いグレイステクノロジーが、粉飾決算を正す四半期報告書を期限までに提出できず、2月28日に上場廃止になることが決まったことが少なからず影響しています。

マザーズ上場企業のすべてがそうではありませんが、このところ不適切会計が明らかになる企業が、小型成長株と目されていた企業の中から相次ぐようになっています。その警戒感が金利上昇と重なって、投資家が一斉に手を引いているような感があります。

折しも現在は東証市場改革の真っ只中にあります。ガバナンス改革がひとつの大きな柱に据えられて、それが3月決算を控える機関投資家に売り急ぎと買い手控えをもたらすひとつの要因ともなっていると見られます。とりわけ小型株に関しては、市場心理が元の状態に落ち着くには相当の時間がかかりそうです。

金利上昇と会計不信が重なって、小型成長株にアゲンストの環境が続いていると見られます。

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先週の東京株式市場は、TOPIXが3週連続で下落しました。下落率は▲2.61%に拡大し、その前の週の▲2.55%に続いて大幅安が連続する厳しい状況となっています。

規模別の株価指数でも引き続き、大型株から小形株まですべてが同じ割合で下落しています。中でも小型成長株の下げがきつく、東証マザーズ指数は5週連続で下げ、すでに記したように下落率は▲10.05%まで広がりました。

グロース株の下げが際立っており、大型グロース株の下げが▲4.34%なのに対して、大型バリュー株は▲1.03%にとどまりました。REIT指数は4週ぶりの上昇に転じました。

株価指数の下落と比べて他のテクニカル指標はさほど低下しておりません。日経平均のサイコロジカルラインは「4」の状態を5日連続しています。騰落レシオも89.25%にとどまり下げ渋っています。

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TOPIX-17業種のセクター別の騰落では、値上がりセクターは5業種にとどまりました。値下がりセクターは12業種となっています。

値上がりセクターのトップは「銀行」です。猛烈な下げ基調の中にあっても、銀行をはじめ生損保、ノンバンクなど金融セクターはさほど下げません。先行して下落していたこと、

(後略)

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鈴木一之