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2021年9月26日

中国・恒大G、FOMC、自民党総裁選、のシルバー週間は急反発して終了

鈴木一之

◎日経平均(24日大引):30,248.81(+609.41、+2.06%)
◎NYダウ(24日終値):34,798.00(+33.18、+0.09%)

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鈴木一之です。めっきり冷え込んできました。風邪にはくれぐれもご用心ください。

シルバーウィークの飛び石連休、株式市場は上に下にと激しい値動きを繰り広げました。市場の焦点は大きく分けると(1)自民党総裁選、(2)中国・恒大グループのデフォルトリスク問題、(3)米FOMC、の3つです。

元々は(3)のFOMCが市場の中心的な関心でしたが、ここに来て(2)の恒大グループ問題が急速に浮上してきました。ただしおそらくこれも、米国の金融政策が大きく変わろうとしていることから派生してくる問題のひとつだととらえることもできます。

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東京市場は今週、月曜日が祝日で3連休明けとなった火曜日に、日経平均は▲661円の急落から始まりました。先週まではそれほど心配されていなかった中国・恒大グループを巡る目前に迫った利払いの成否、デフォルトリスクが急速にクローズアップされ、休み中の欧米の株式市場が軒並み安となりました。

折しも米国の株式市場が軟調な動きを強めていただけに、このタイミングで恒大グループの債務問題が浮上したことによって、世界の金融市場はリスク資産の保有を一段と圧縮した可能性もあります。

東京株式市場は火曜日、水曜日と全面安を余儀なくされましたが、いわゆる主力銘柄の優良株、および小型成長株の一角はさほど狼狽売りは見られませんでした。木曜日は秋分の日でまた1日お休み。

そして休み明けの金曜日。米FOMCの結果を受けて、NY株式市場が持ち直したことから9月24日(金)は日経平均は+609円の急反発となりました。東証1部の値上がり銘柄の数は2104銘柄に達する全面高の展開です。6月22日、7月12日に続く今年3回目の「2000銘柄越え」となりました。

飛び石連休が重なり、休み中の海外市場の動きが2日分集中して消化されることから、休み明けの東京市場の動きは上昇する日も、下落する日も、どちらも同じくらい極端な値動きとなりました。相場の展開がそれだけ神経質になっているように感じられます。

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コロナ危機に関しては予断を許さない状況が続いていますが、それでも日本では第5波、欧米では第4波の波が徐々に収束に向かいつつあるようです。

この飛び石連休中の宿泊施設は全国的にかなり埋まっているようで、繁華街に出かける人数は目に見えて増えています。うまくいけば19都道府県に発出されている緊急事態宣言も、9月末までいったん延長されましたが、10月からは解除される見通しもちらほら出始めています。

感染拡大の波が終息に向かうのは何よりの朗報だとしても、世界経済そのものは春先からの急激な回復局面はピークを過ぎて、徐々に下向きのトレンドに向かいつつあるようです。半導体の調達不足から世界中の自動車産業が減産を余儀なくされている影響が、実体経済にもじわじわと影響し始めています。

その一方で米国では、長期金利がじわじわと上昇力を強めており、資源価格や農産物の価格が上昇基調をたどっています。物流のボトルネックは一向に解消していないようで、賃金の上昇は期待できないまま物価高が続くという毎日であるのならば、庶民の暮らしは徐々に圧迫され始めています。

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先週の東京株式市場は、TOPIXは5週ぶりに反落しました。立会い日数が3日間しかない状況で、それまで4週間続いていた連騰記録が途切れてしまうのは残念ですが、世界的に見ても株価の下落圧力の強い週ではありました。

下落基調が強い時には安心感から大型株が相対的にしっかりとします。下落率では小型株が大型株を上回りました。東証マザーズ市場は2週連続で下げています。金利が上昇し始めているためか、東証REIT指数は4週連続で値下がりしました。

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TOPIX-17業種のセクター別の騰落では、値上がりセクターは7業種、値下がりセクターは10業種となりました。

値上がりセクターのトップは「不動産」です。前の週に中国の恒大グループの影響で不動産セクターが東京市場でも売られましたが、その反動高が早くも活発となりました。金利上昇が目立ち始めている割に不動産株は堅調です。

三井不動産(8801)、住友不動産(8830)の主力銘柄がしっかりしており、業績の堅調だったオープンハウス(3288)、カチタス(8919)も高値圏で安泰です。この連休中に国土交通省から発表された今年の基準地価では、全国の全用途の平均価格が前年比▲0.4%の値下がりとなりました。

全体ではマイナスですが、しかし全国の一等地を巡る個々の事例では引き続き活発な取引が見られます。特に商業地では、東京はプラスを維持していますが、大阪は9年ぶりにマイナスに転じておりはっきりと明暗が分かれています。

値上がりセクターの第2位が、前の週に続いて「運輸・物流」です。海運セクターは市場全体がどんなに軟調でも大崩れすることなく、連日のように大商い高値を更新中です。

それに続いてSBSホールディングス(2384)、SGホールディングス(9143)、ニッコンHD(9072)、福山通運(9075)、日立物流(9086)などのトラック輸送が前の週と同様に高値追いとなりました。

値上がりセクターの第3位が「医薬品」でした。協和キリン(4151)が

(後略)

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鈴木一之