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2020年7月13日

日経平均は3週連続での下落、物色の二極化が際立つ

鈴木一之

◎日経平均(10日大引):22,290.81(▲238.48、▲1.06%)

◎NYダウ(10日終値):26,075.30(+369.21、+1.43%)

 

 

鈴木一之です。熊本県を中心とする九州地方の豪雨から早くも一週間が経過しました。いまだに被害の全容が把握できません。行方不明の方も多く残されています。

 

折悪しく新型コロナウイルスの感染の危険もあって、ボランティア活動もままなりません。床上浸水の被害の後片付けも進まないまま、九州地方特有の暑い夏を迎えようとしています。一日でも早く日常生活が戻ってくることを祈るばかりです。

 

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株式市場は今週も上下動の小さな調整局面を過ごしました。基調としては株価はダウンサイドリスクの強い展開を余儀なくされていますが、それを空前の財政政策と金融政策をすべて打ち出して、かろうじて支えているという状況です。

 

そして二極化現象はますます進行しています。上がる銘柄とそうでない銘柄の格差が残酷なまでに開いています。

 

人々の意識が大きく変わり、それが産業構造を大きく変えている結果の二極化現象です。リーマンショックの直後には、金融業界や不動産などダメージを受けた業界も多かったのですが、まったくダメージを受けないでいられる産業もそれなりにありました。病院や学校、保育所、ジムなどがそうです。

 

それが現在はすべてが変化を余儀なくされています。新型コロナウイルスの影響を受けない産業を探すのがむずかしいほどです。そしてそれが現在のような物色の二極化の原動力でもあります。株価の変動を見るまでもなく、現実の世の中は音を立てて大きく変化し始めています。

 

ブルックス・ブラザーズの行き詰まりだけではありません。日本ではファミリーマートが親会社の伊藤忠から完全子会社化を目的としたTOBにかけられ、非上場化に向かいます。コンビニ業界が大きな変曲点に到達したことを思い知らされました。

 

非上場化は決して悪いことではありません。かつて栄華を誇ったアパレルのワールド、ファミレスのすかいらーく、鉄道の西武鉄道、いずれも非上場化によって収益を立て直して再上場に道を開きました。牛角のレインズインターナショナルやTSUTAYAは非上場のままです。

 

問われるのは「上場」の意味です。ここまで金融環境が緩和的な状況にあり、誰でもいくらでも借りられる状態であれば、株式を公開している意味が見い出せなくなるのも無理はありません。ユニコーンが何社も出現している以上、社会的な信用力のためだけに上場を企図する時代でもなくなりつつあります。

 

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その一方で米国では、パランティアが上場の道を模索し始めたようです。ピーター・ティールが率いるユニコーンの一角、データ分析のパランティアが年末の上場をもくろむということは、NASDAQは年末までは強い基調を維持するということになるのでしょうか。

 

オンワードは第1四半期の決算で最終赤字を計上しました。ここに至ってオンワードは、伝統もブランドもプライドも捨てて、ZOZOとの提携の道を模索することになるようです。

 

新型コロナウイルスの影響は公衆衛生の範囲にとどまらず、地球環境にまで目を向けさせる効果をもたらしています。

 

テスラのイーロン・マスク氏は世界AI大会の席上で、自動車の自動運転に関して、年末までに完全自動運転のレベル5の実現に向けて、「本的な仕組みを完成させる」と述べました。夢のまた夢と見られていたレベル5の時代がすぐそこまで迫っています。

 

昨年までならイーロン・マスク氏の大ほら吹きがまた始まった、と一笑に付されていたことでしょう。ところが現在は違います。スペースXは宇宙飛行士を登場させての宇宙ロケットの打ち上げに成功し、ロシアの宇宙ステーションとのドッキングまで実現させました。

 

テスラの「モデル3」は今や世界で最も販売台数を伸ばしている電気自動車で、株価は連日のように上場来高値を更新しています。そのマスク氏がレベル5の実現可能性を述べたということは、ほら吹きではなく来たる未来を予言しているのと、自動車業界のみならず浮足立ちます。

 

日本では通常国会が閉幕したこの時期、例年のように「骨太の方針」が発表されました。いわく、「行政のデジタル化を1年で集中的に成し遂げる」意気込みだそうです。こちらの方ががほら吹きと言われないか、心配になります。

 

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世界上で新型コロナウイルスの感染者が急拡大しています。WHOは感染第2波の襲来どころか、「まだ第1波のピークすら迎えていない」との立場を明らかにしました。

 

米国はついに300万人の大台を突破しました。本格的な夏を迎えたフロリダ、カリフォルニアを中心にサンベルト地帯での感染者数の増加が顕著です。トランプ大統領でさえマスクを使用し始めました。

 

英国は付加価値税の引き下げを発表しました。これ以上の経済封鎖は中小・零細小売業の息の根を止めてしまいかねない、との理由から政治的な判断でやむを得ず経済再開を選択しているという状況です。英国に続いてフランス、ドイツ、イタリア、スペインと欧州各国も経済を再開し、EU内では人の往来も徐々に解禁する方向に向かっています。

 

しかしインド、ブラジル、南アフリカなど新興国がそろって感染者の急増に直面しており、グローバル経済はいまだストップしたままです。グローバル経済はいまや一国だけで成り立つものではなく、他国との協調や関係の中で初めて調和が保たれています。

 

自国の経済活動を再開させることができたとしても、外国との往来が閉ざされたままでは復調にはほど遠いと言わざるを得ません。

 

日本も例外ではなく、東京を中心に連日のように200~300人規模の感染者数の増加が続いています。県境をまたいでの人の往来は再開されたものの、在宅勤務をはじめとする「ニューノーマル」への移行が進んでいます。東京都心部でも人の流れはまばらに映ります。

 

東京都知事選は現職の小池百合子氏の圧勝で終わりました。これまでの感染症対策は都民からの信任を得たこととなります。ただし全国一、潤沢だったはずの東京都の財政も、これまでの休業対策等で急激に余裕を失いつつあります。

 

東京五輪の開催問題が議論される今秋までそれほど時間的な余裕はありません。ウイルスも変異しており、専門家の見立てでは空気感染の可能性もどうやら強まっているようです。ここからの舵取りがむずかしいところです。

 

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そのような八方ふさがりの状況で、米国のNASDAQ市場だけは別格の動きを続けています。連日のように高騰を続け、独立記念日で休場のあった先週は5日続けて史上最高値を更新しました。今週も1日だけ下落したあとで週末まで3日続伸しています。

 

テスラが史上最高値を更新して、トヨタの時価総額を追い抜いたばかりですが、その3日後にテスラは今度はトヨタとホンダの合計時価総額を抜き去りました。わずか3日間でホンダ1社の時価総額を上乗せした形となりました。

 

アマゾンも同じく史上最高値を更新し続け、アップル、マイクロソフト、グーグル(アルファベット)、エヌデディア、ネットフリックスもそろって最高値に進んでいます。半導体株もしっかりです。

 

その一方でアマゾン現象に追い詰められたブルックス・ブラザーズがチャプタ-11を申請しました。良品計画の米国子会社も同様です。

 

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先週の東京市場は、TOPIXが3週連続で続落しました。下落率は▲1.10%に達し、方向感がないままに下げ圧力だけが強く残っています。

 

物色の二極化は一段と進んでいます。米国のNASDAQと同様に、買われる銘柄と売られる銘柄がはっきりと色分けされています。その結果として騰落レシオ(25日移動平均)は一段と低下し、金曜日には70%台ギリギリまで低下しました。

 

一方で、先週は危ない場面も見られた東証マザーズ指数は反発しました。先週は13週ぶりに下落しましたが、値崩れを起こすこともなく、すかさず切り返しています。やはり現在の成長株は、日本においてはマザーズ市場に集中しているということになりそうです。

 

セクター別では、東証1部のTOPIX-17業種のうち、上昇したのは3業種にとどまり、残りの14業種が幅広く値下がりしました。

 

上昇したのは「電機・精密」、「情報通信・サービス他」、そして「機械」の3業種のみです。この3業種は二極化相場の主役を果たしており、過去4週間、値上がり上位に君臨し続けています。

 

機械株や電機株では、半導体製造装置の東京エレクトロン(8035)が

(中略)

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鈴木一之セミナー事務局です。

 

7月5日にオンラインセミナー開催のご案内をしたところ、

数多くのご応募をいただきました。

申込みのペースは前回以上で、皆様からの期待がひしひしと伝わってきます。

誠にありがとうございます!

 

オンラインセミナーですので、人数制限がございません。

ふるってご参加いただければと思います。

 

下記は簡単ではございますが、オンラインセミナー開催にあたり、

前回セミナー(5/7)後の相場を振り返ってみました。

 

セミナー事務局の視点ですので、興味のない方は最後のセミナー案内まで

読み飛ばしてください(笑)

 

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■せめぎ合う株価と実体経済

 

前回セミナー(5/7)終了後、日経平均は6月上旬、

マザーズ指数は6月下旬まで、それぞれ堅調な推移を見せました。

 

とりわけマザーズ指数は、7週間で25%以上の上昇をみせ、

投資家に多くの利益をもたらしたようです。

バイオ関連(アンジェス、テラ等)は活発な取引が続き、

相場の中心にいつづけました。

 

コロナの影響を踏まえ、実体経済を慎重にみていた投資家の方々は、

プロアマ問わず一定数いたと思います。

ただ、その思いとは裏腹に株価は力強く、

 

・コロナなんて無かったことになるのでは?

・4-6月の業績が悪いなんて織り込み済み?

 

と思い悩まれた方もいらっしゃるかもしれません。

実際、投資スタンスを変更された方もいるでしょう。

 

しかし、日経平均、マザーズともにその後は失速、

個別株のほとんどが調整を余儀なくされました。

 

足元におきましても、株価のボラティリティが下がっており、硬直状態が続いています。

上値は4-6月期の決算への懸念が抑え、下値は日銀が支えている構図のように思えます。

 

大雑把に見た場合、

 

「実体経済を無視して上昇してきた株価だが、足元では4-6月期の決算を警戒」

 

という形になるでしょうか。

現段階では、ファンダメンタルズを無視してまで株を買う、

というところまではいかなかったようです。

 

そんななかでも、好調な銘柄は存在します。

 

・ソフトウエアテストのShift(3697)

・フリマアプリ首位のメルカリ(4385)

・ビジョンファンドで大ゴケと思われていたソフトバンクG(9984)

・感光性材料(フォトレジストの主原料)の東洋合成(4970)

・半導体検査装置のアドバンテスト(6857)

 

これだから株は面白いですね(笑)

 

■10%の有望株を探そう

 

非常にやりにくい相場が続いておりますが、こんな時こそ拠り所が必要です。

自分は何を基準に投資判断をしているのか、そこがブレると相場に飲み込まれてしまいます。

周りの儲け話に流されないことです。

 

鈴木一之は、その生真面目な性格によって、

いつでも冷静な視点で相場を分析・観察しています。

数多くのデータを収集し、出来得る限りの事実を集め、

噂だけに流されないスタンスを取ります。

 

オンラインセミナーを通して、一度プレゼンテーションを聞いてみてはいかがでしょうか。

そんな鈴木一之から、今回皆様にお伝えしたいメッセージは、

 

「10%の有望株を探す」

 

です。

 

セミナーの事前打ち合わせで鈴木は、

 

「90%の企業はダメかもしれないが、10%の有望株はある」

 

と我々に言いました。

そして、それこそが今回のセミナーで最も皆様にお伝えしたいことであると。

 

今回のオンラインセミナーでは、世界中で発表されている経済指標と決算情報をベースに、

鈴木一之が独自の視点で情報を整理・分析させていただきます。

「ウィズコロナ」、「アフターコロナ」という言葉がもてはやされるなか、

次の時代を牽引する産業・企業はどこなのか、鈴木のプレゼンテーションにご期待ください。

 

前回は質疑応答の時間を取ることができませんでしたが、今回はきちんと時間を設けております。

事前に質問メールを受け付けますので、参加予定の皆様は今からご準備のほど

よろしくお願いいたします。

 

 

■オンラインセミナーお申し込み方法

 

オンラインセミナーへの参加を希望される方は、

このメールに「氏名」、「セミナー参加希望」と記載のうえ、ご返信ください。

代金の支払い方法や、参加方法(利用するツールなど)についてご案内いたします。

 

 

【開催概要】

開催日時 令和2年7月21日(火)19:00-20:30

費用 2,980円(税抜)

 

※PCがない方でもスマホで参加可能

(ただし、画面が小さいためプレゼンの文字は読みずらいです。。。)

 

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鈴木一之セミナー事務局

info@suzukikazuyuki.com

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