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2025年11月4日
日経平均は52,000円乗せで最高値を更新、日米・米中首脳会談で
            鈴木一之です。日経平均が52,000円の大台に乗せました。史上最高値を毎日、毎週のように更新しています。
10月の月間騰落率は+7478円の上昇幅を記録して、上げ幅としては過去最大に達しました。それまでの記録は1990年10月の+4210円なので大幅な記録更新です。また上昇率でも過去2番目の大きさです。
高市政権の評価が日を追うごとに高まっているようです。「強い経済」、「責任ある積極財政」、「緩和的な金融政策」を前面に掲げ、まさに「アベノミクス2.0」とでも表現すべき成長戦略が再現されています。
「GDP2%の防衛費増額」など「アベノミクス1.0」では見られなかった政策も加わっています。まだ具体的な政策は何も実現してはおりませんが、少数与党となった自民党が高市総理・総裁を前面に打ち出して、総力を結集して政策実現に取り組んでいる様子を垣間見ることができます。
「アベノミクス1.0」の時と同様に、特に強く反応しているのが海外投資家です。週間ベースでの現物株の買い越しが10月第1週から続いています。1日の時間帯では特に後場から株価が上昇することが多くなっており、経験的に見てこれは海外からの買い注文が多い時の特有の動きです。
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企業ベースでも変化が相次いでいます。日本経済新聞の集計によれば、10月31日までに決算発表を行ったプライム市場に上場する3月決算企業の280社のうち、40%の100社が今期の当期純利益の見通しを上方修正しました。
AI需要の高まりや半導体の設備投資に関連する企業の業績が特に好調です。加えてトランプ関税の悪影響を慎重に見ていた企業が、15%に決着したことへの安心感から通期見通しを相次いで引き上げています。
日本株の組み入れ比率を「アンダーウエート」の状態から引き上げるファンドも世界的に増えていると見られます。その最大の理由が「インフレの定着」です。日本の消費者はインフレに対して生活防衛意識を強めて節約に走っていますが、巨額の資金を運用する世界の投資家は日本の3%程度のインフレ定着を、企業の利益率の改善ととらえてむしろ好意的に見ています。
現状では物色動向が一部の銘柄に偏っていますが、世界の投資家が日本株の組み入れ比率の引き上げに向かうのであれば、より多くのセクターに対して早晩物色が広がってくるはずです。日経平均はかなり高い位置にあるのは事実ですが、後から振り返れば52,000円はそれでもまだ低い水準にあったことになるのでしょう。
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先週の日経平均の値動きです。
・10月27日(月):50,512円(+1213円)
・10月28日(火):50,219円(▲293円)
・10月29日(水):51,307円(+1088円)
・10月30日(木):51,325円(+18円)
・10月31日(金):52,411円(+1086円)
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先週の東京株式市場は、TOPIXが続伸しました。週間の上昇率は+1.91%とまずまずですが、前週の+3.12%の上昇にはとどきませんでした。NT倍率(日経平均とTOPIXの比率)は一段と上昇しており、日経平均主導の物色が継続しています。
東証グロース250指数(旧マザーズ指数)は再び軟化して▲1.93%にとどまりました。
規模別指数では、大型株指数が+2.68%と大きく続伸しましたが、中型株指数は+0.58%の小幅高にとどまり、小型株指数は▲0.48%と反落しています。物色の二極化が目立ちました。
スタイル別も同様に、グロース株が+2.89%と大きく続伸していますが、バリュー株は+0.95%の上昇にとどまりました。グロース株がバリュー株に対して大きく差をつける傾向が続いています。
東証プライム市場の騰落レシオは、週末にかけて100%割れが3日間続いています。99.19%で週の取引を終えました。日経平均のサイコロジカルラインは「6」から「8」に上昇しています。
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TOPIX-17業種のセクター別騰落は、上昇が9業種、下落が8業種と分かれました。
値上がりセクターの上位は「鉄鋼・非鉄」、「電機・精密」、「銀行」でした。
上昇率トップの「鉄鋼・非鉄」は、フジクラ(5803)、住友電工(5802)、古河電工(5801)の人気が衰えません。フジクラはデータセンター関連株のトップ銘柄としてついに2万円の大台を突破しました。
それに対して出遅れ気味の住友電工と古河電工が後を追いかけています。電線株はデータセンター関連としての位置づけに加えて、最近では高市政権の目玉政策である核融合発電に関連する銘柄として新たな評価が加わっています。
上昇第2位の「電機・精密」では、アドバンテスト(6857)が決算発表の翌日にストップ高まで買われて流れを決定づけました。
それに続いてソフトバンクG(9984)、東京エレクトロン(8035)、イビデン(4062)、キオクシアHD(285A)、レーザーテック(6920)が日替わりで物色対象の主役に躍り出ています。
半導体と比べて出遅れていた電子部品株でも、TDK(6762)、村田製作所(6981)、太陽誘電(6976)が出来高を伴って上昇しています。
上昇率第3位の「銀行」は、半導体セクターとは本来相いれない物色のリズムですが、静かに上昇基調を取り戻しています。
みずほフィナンシャルグループ(8411)が直近高値を更新しており、いよぎんHD(5830)、めぶきFG(7167)、八十二銀行(8359)が堅調でした。中間決算の発表を控えて、業績および配当金の増額を発表する銀行が増えています。
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反対に値下がりセクターの上位は「不動産」、「化学」、「医薬品」となりました。
「不動産」はこのところ銀行セクターとはなぜか逆のリズムで動いています。三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、野村不動産HD(3231)、霞が関キャピタル(3498)がそろって横ばい、または小幅安となりました。
値下がり第2位の「化学」では、決算発表を嫌気した信越化学工業(4063)、三菱ケミカルグループ(4188)が軟調で、住友化学(4005)、クレハ(4023)、東ソー(4042)もそろって下落しました。
その一方で東京応化工業(4186)、
(後略)
            
