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2020年2月3日

1月第4週も下落、中国発の新型ウイルスに世界が動揺

鈴木一之

◎日経平均(31日大引):23,205.18(+227.43、+0.99%)
◎NYダウ(31日終値):28,256.03(▲603.41、▲2.09%)

鈴木一之です。1月相場が終了しました。年明けからイラン対米国の中東リスク、米中貿易協議の合意、そして新型ウイルスの急速な拡大と、毎週のように大きな騒動が世界を駆け巡りました。

株価はそのたびに一喜一憂しましたが、喜びや楽観の時間帯よりも警戒、不安に包まれた時間の方が長かったように思います。そしてどうやら不安は現実のリスクとなって株式市場を包んでいます。

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日々のニュースは中国発の新型コロナウイルスの話題しか入ってこない状態です。春節が始まる1月24日(金)の前日、1月23日(木)午前10時に中国政府は武漢の公共交通網をすべて遮断しました。

ウイルスの蔓延を武漢だけに食い止めるという方針ですが、結果的にはこの対応がすでに遅きに失したということになります。その直後から中国以外の国でも感染者が次々と出始め、その数は日を追うごとに増加しました。

武漢は中国・内陸部の交通の要衝に当たり、同時に自動車や半導体産業など製造業の一大集積地でもあります。そこへのアクセスが遮断されるとなると、春節が明けた後の物流や生産への影響が心配されました。

1月26日には中国国民に対して、春節での団体旅行の海外渡航は禁じるとの方針も追加され、ここに至って周辺国への経済への影響はほぼ決定的となりました。

日本に関しては年間3100万人を超える外国人旅行者のうち、中国からの観光客が742万人でトップです。旅行中に使うおカネの額も中国人がダントツで、その大半が途絶えてしまうとなると、ホテル、旅行代理店、外食産業、航空、バス、タクシー会社はもとより、あらゆるサービス業にとって非常に大きな打撃になります。

先週は週明けから日経平均が大きく下落し、月曜日に▲484円と今年最大の下げ幅を記録しました。その後は小康状態を保ちましたが、木曜日に休場していた台湾市場での取引が再開されると再び売り物が急速に増加しました。

中でも半導体関連株の下げが目立っています。台湾の鴻海精密工業がストップ安まで売られ、半導体のTSMCも▲5%以上の下げを記録したことから、日本でも半導体、電子部品株に大きく値下がりする銘柄が見られました。株価が高値圏にあったために利益確定の売りもかなり加わっているようです。

週末は株価の下落も一服しましたが、金曜日の米国市場が▲603ドルの大幅安を記録しており、欧州各国も軟調なまま戻っているため、週明けの東京市場の値動きが注視されます。

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先週の東京市場は、TOPIXが大きく続落しました。1週間の下落率は▲2.66%に達し、昨年8月第1週の▲2.42%を超えました。昨年5月第2週に記録した▲4.23%以来の大きな下落です。

昨年の2度にわたるこの大幅安は、いずれもトランプ大統領が対中国との貿易協議の遅れに業を煮やして、関税を大幅に引き上げると発表した時です。今回は新型ウイルスの感染拡大がきっかけとなった下落ですが、世界経済に与える影響と規模では、どちらも同じくらいマイナスのインパクトがあるということのようです。

TOPIX-17業種のうち、値上がりしたセクターは「不動産」のわずか1業種のみ。反対に値下がりしたセクターは16業種にのぼりました。

最も下落したセクターは「鉄鋼・非鉄」です。神戸製鋼所(5406)や

 

(後略)

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鈴木一之