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2023年7月24日

FOMCと日銀会合を控えて為替市場が上下に急変、NYダウは10連騰

鈴木一之

鈴木一之です。小・中・高校で夏休みが始まりました。夏の甲子園を目指して全国で地区予選の熱戦も繰り広げられています。

大人になってもやはり「夏休み」という言葉の響きには胸がときめきます。天体観測、アサガオの観察、家族旅行、海水浴、スイカ割り、庭先での花火、楽しいことばかりだったような気がします。

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マーケット上では、前週に発表された米国の6月CPI(消費者物価指数)の結果と、来週のFOMCの開催を控えて、宙ぶらりんの状態が続いています。「海の日」の祝日があったため、立ち合い日数が4日間だけの東京株式市場では、日経平均は2勝2敗の結果に終わりました。

一方で金融のメッカ・NY市場では、強弱観が対立する2つの出来事が同時に進行しています。

ひとつは、NYダウ工業株が10連騰を記録したことです。先週末の金曜日の値動きはわずか+2ドルにとどまり、さすがに息切れしているようにも見えます。それでも10日続伸は2017年8月以来、5年11か月ぶりの出来事だそうです。

4-6月期の決算発表が佳境を迎え、ゴールドマン・サックスなどの金融セクターをはじめ、ビッグビジネスの業績はここまでのところ非常に堅調です。今年初めに指摘された「年後半からはリセッション」への懸念は急速に薄れていることが確認されつつあります。

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もうひとつは半導体セクターに対する警戒感が強まっている点です。こちらも決算発表がきっかけとなっています。

7月20日(木)に発表されたTSMC(台湾積体電路製造)の4-6月期の業績は、純利益が8000億円(1817億台湾ドル)で同期比▲23.3%の減少となりました。売上高も▲10%減っており、2019年1-3月期以来の減収減益です。

半導体セクターの苦しい決算内容は今に始まったことではありません。それでもTSMCの今回の決算をきっかけに、週末にかけて半導体セクターの株価が軒並み急落しました。「TSMCショック」と呼ばれています。

TSMC自身、3か月前の時点ですでに通期の売上高見通しを「▲1~▲5%」の減収としていました。それを今回は「▲10%」まで下方修正しました。コロナ禍の在宅需要の反動減でPC、スマホ、タブレット、ゲーム機向けの出荷がいまだに戻っていないことが主因です。

在庫調整が想定上に長引いていること、および中国の需要が予想していた以上に少ないことも下方修正の理由とされています。今年の半導体受託生産は全世界ベースで▲15%まで減少するとの予想も出しています。

2019年と言えば、ファーウェイの副会長の身柄が拘束された直後、米中貿易戦争が激化していた時期です。TSMCは今年の設備投資額は5兆円程度と、期初計画をすえ置いていますが、先行きに対する警戒感をあらためてマーケットは強めています。

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NYダウの連騰記録について。10連騰は2000年以降では3回あったそうで、そこから半年、1年後の株価はいずれも上昇したそうです。短期的にはいつ一服してもおかしくない水準ですが、中期・長期では株価の上昇が持続するという傾向が確認されます。

今週はFOMC、そして日銀の金融政策決定会合が開催されます。今後の米国の金融政策はどのように運営されてゆくのか。イールドカーブ・コントロールへの修正はあるのか、ないのか、議論が噴出した一週間でもあり、為替市場ではそれまでの円高・ドル安が早くも反転しつつあります。

このまますんなりと落ち着いた結末を迎えるとはとても思えません。夏相場が本番を迎えてマーケットの思惑がなお一層交錯しそうな雲行きです。

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先週の東京株式市場は、TOPIXが3週ぶりに反発しました。前の週の下落が▲0.70%の小さなものだったためか、反発も+1.03%と比較的小さなものにとどまりました。

規模別では、大型株から小型株までそろって反発しています。特に大きな差はなく大型株から小型株までそろって反発しています。

ただし差が開いたのは、グロース株の上昇の鈍さです。バリュー株が+1.90%の反発となったのに対して、グロース株は+0.13%の上昇にとどまりました。中でも小型グロース株は▲0.14%と続落しています。東証マザーズ指数も軟調で5週連続の下落となりました。

日経平均採用銘柄のうち、PBR(株価純資産倍率)が1倍を下回っている銘柄数は88銘柄まで減少しました。日経平均採用銘柄(225銘柄)の39%を占めるまで減りました。1週間で▲6銘柄も減っています。ここでもバリュー株の優位性が見られます。

テクニカル面では、騰落レシオが週末値で92.14%まで下落しています。今年1月16日以来の低水準です。日経平均のサイコロジカルラインは「4」と「5」に張りついています。

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TOPIX-17業種のセクター別騰落は14業種が値上がりして、下落したのは3業種にとどまりました。

値上がり上位のセクターは「電力・ガス」、続いて「自動車・輸送機」、「エネルギー資源」となりました。

トップの「電力・ガス」は、手がかりとなる大きな材料が出たわけではありませんが、前の週に下げた分だけ切り返したようです。円安、原油高との環境で、どちらかと言えば電力・ガス業界には不利な市場環境となっていますが、株価は逆に堅調に推移しました。

猛暑が続いており、夏場の電力需要は綱渡りの状況であることに変わりはありません。福島第一原発の汚染水の海洋放出が決まり、東京電力の原発廃炉に向けた第一歩がようやく動き出しています。

汚染水の海洋放出は、国際的に完全なる了承を得たわけではなく、さっそく中国は反発しています。日本産海産物の輸入審査を強化して、事実上の輸入禁止措置を採り始めました。いつまで輸入禁止が続くのか、今後の懸念材料のひとつとなり得ます。

電力業界を取り巻く環境は難しい状況ながらも、それでもここから大きく動き出してゆく気配も見られます。

値上がりセクターの第2位は「自動車・輸送機」です。週を通じて話題はこの業種に集中していたように見られます。

急激な円高・ドル安が止まり、再び円安・ドル高に反転しつつあります。それに伴って日産自動車(7201)を筆頭に、マツダ(7261)、スズキ(7269)、スバル(7270)の自動車株、および自動車部品株が一斉に動意づいています。

第3位は「エネルギー資源」です。原油価格の反発をきっかけとしてINPEX(1605)の動きが顕著です。

一方の値下がりセクターには「情報通信・サービス」、「素材・化学」、「電機・精密」が並びました。

「情報通信・サービス」は、ソフトバンクG(9984)、リクルートHD(6098)は値を保ったものの、システム開発・ソフトウェアに関連する銘柄が総じて軟調です。

DX投資が活発化しており売上高の拡大は期待できますが、同時に人件費アップの負担も高まっています。コスト上昇をどこまで吸収できるか、大手企業ほど有利になりそうです。ここからの決算動向で精査されることとなります。

「素材・化学」と「電機・精密」は、やはり半導体関連株の軟調が足を引っ張っています。

快進撃を続けたソシオネクスト(6526)が、大株主によるまとまった売出(1260万株)の発表によって上昇相場に終止符が打たれたところから、今回の半導体セクターの暗転が始まりました。

そのソシオネクストが週初に直近安値を更新し、そこから週を通じて半導体セクターが不安定な動きをたどっています。そしてついに週末には「TSMCショック」。ASLMとTSMCが決算発表を受けて急落する動きとなっています。

チャート上では信越化学工業(4063)およびスクリーンHD(7735)が正念場に差しかかっているように見えます。HOYA(7741)が直近安値を更新し、盤石と見られていた東京エレクトロン(8035)や

(後略)

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鈴木一之