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2024年1月21日

S&P500が最高値、日経平均は36,000円台に到達

鈴木一之

能登半島地震で被害に遭遇された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

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鈴木一之です。1月も後半になり寒さが一段と厳しくなりました。能登半島地震から3週間。復旧作業も本格化してきましたがとても十分とは言えません。

受験シーズンが始まっており、中学3年、高校3年生の皆さんの生活ペースも気になります。被災地の一日も早い復旧を願っています。

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寒さは厳しいですが株式市場は今週も堅調な値動きを維持しました。月曜日から日経平均はザラ場中の高値で36,000円台の大台を突破し、その勢いが週末まで維持されました。

テクニカル的な過熱感を心配する声も増えているものの、株価というものはいったん弾みがつくと行くところまで行くものです。週末も36,000円寸前というところまで上昇し、6週連続で週足ベースの陽線を記録しました。

週初めは米・大統領選の幕開けを告げるアイオワ州の党員集会からスタートしました。共和党は前大統領のトランプ氏が予備選挙で地滑り的な勝利を収め、「もしトラ」リスクがいよいよ本物になると世界中が身構えています。

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日本では検査データの不正を続けていたダイハツに対して、国土交通省が「型式指定」を取り消すというきわめて厳しい措置が明らかになりました。

再び取得するまでは長期にわたって生産停止となります。トヨタグループでの小型車戦略に大きく影響することは必至の情勢です。

政治資金規正法違反が問われる自民党の派閥パーティー券問題でも、岸田首相が伝統ある「宏池会」の解散を表明しました。渦中の安倍派、二階派も解散する方向にあり、自民党のガバナンスが大きく揺れる中で、今週末からはいよいよ通常国会が召集されます。

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日本の政治・経済の両面から暗雲が立ち込める状況で、突破口となったのがやはり半導体関連株です。

週末の金曜日は、東京エレクトロン(8035)、アドバンテスト(6857)、スクリーンHD(7735)、ディスコ(6146)、東京応化工業(4186)、荏原(6861)、堀場製作所(6856)という、日本の「マグニフィセント・7」が軒並み上場来高値を更新。日経平均を大きく押し上げました。レーザーテック(6920)も終値では最高値です。

きっかけとなったのは、ここでもエヌビディアとTSMCです。

TSMCは1月18日(木)に10-12月期の決算を発表し、売上高は前年比微減の6255億台湾ドル(2.9兆円)、純利益は同▲19.3%の2387億台湾ドルと判明しました。過去最高だった前年の水準をほぼ回復しています。

同時にTSMCが明らかにした今2024年12月期の見通しは、売上高が前年比+20%も増えて史上最高を更新します。この強気の見通しを受けて、世界中の半導体関連株に買い注文が集中するようになりました。

さらにエヌビディアも連日のように株価が史上最高値を更新しています。年明けのCESでPC向けに処理速度を格段に速めたGPUを発表して以来、好調な株価の推移が続いています。

エヌビディアの高値更新とTSMCの好決算見通しを受けて、金曜日は世界中の半導体関連株が軒並み高となりました。アナリストからの推奨格上げが世界中で相次いでいます。SOX指数が最高値を更新したことから、S&P500も2年ぶりに最高値に進んでいます。

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米国では今週、FRB高官の発言が注目されました。昨年11月に続いてウォラー理事の発言が注目を集めています。

1月16日(火)の講演においてウォラー理事は、2024年中の利下げの可能性について「金融政策の軌道修正は急がず、慎重に判断する必要がある」と述べました。

現在のマーケットに広がっている楽観的過ぎるほどの早期の利下げ観測は、昨年11月末にウォラー理事が言及した早期の利下げシナリオから始まっています。その中心にいる本人から、わずかですがタカ派寄りに修正された発言が出てきたため、米10年国債金利は前の週の3.9%台から先週は4.1%台まで上昇しました。

それでも米国の株価は堅調を維持しています。12月の小売売上高も予想を上回る結果となっており、ここに来て米国景気の強さ、しぶとさがあらためて評価されています。

それが株高を支えており、「経済にとっよいニュースは株価にとってもよいニュース」と評価され、ひところのインフレ警戒モードが後退しつつあります。

為替市場でも1ドル=148円台までドル高・円安が進みました。その結果として久しぶりに、米国の株価の上昇が日本の株価の上昇に素直につながっています。

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先週の東京株式市場は、TOPIXが6週連続で上昇しました。上昇率は+0.63%にとどまっていますが、前の週の+4.21%という大幅高を演じた後だけに冷静に推移しています。

規模別では引き続き大型株が優勢です(+1.19%)。中型株は小幅反落(▲0.56%)で、小型株も小さな上昇にとどましました(+0.21%)。各業種を代表する大型株が日替わりで人気化しています。

スタイル別では、前の週のグロース株人気とは反対に、バリュー株に物色が広がってきました。大型バリュー株(+1.17%)に対して、大型グロース株(+0.17%)とバリュー株が優勢です。小型グロース株は▲0.24%と唯一マイナスでした。

東証グロース株250種も▲2.34%と軟調な動きです。

騰落レシオは徐々に高まっており、1月15日(月)には129.05%で、過熱圏とされる120%の水準を越えました。週末の値は117.92%です。日経平均のサイコロジカルラインは週末は「7」に低下しています。

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TOPIX-17業種のセクター別騰落は、9業種が上昇し8業種が下落しました。

値上がり上位のセクターは「自動車・輸送機」で、次いで「商社・卸売」、「金融(除く銀行)」となりました。

反対に、値下がりセクターの上位は「医薬品」、「電力・ガス」、「銀行」でした。

値上がりトップの「自動車・輸送機」は、トヨタ自動車(7203)の上場来高値更新がひとりで引っ張っています。それ以外では、マツダ(7261、ヤマハ発動機(72727)とともに、部品株でティラド(7236)、フタバ産業(7241)、アイシン(7259)が堅調です。

「商社・卸売」では、出遅れていた三菱商事(8058)、三井物産(8031)がいよいよ動き出しており、先週から動きの強まった半導体商社でも伯東(7433)、丸文(7537)、リョーサン(8140)が次々と上値を追いかけています。

「金融(除く銀行)」では、証券の野村ホールディングス(8604)、岩井コスモHD(8707)、ネット証券のSBIホールディングス(8473)、損保のSOMPOホールディングス(8630)、そしてJPX(8967)が堅調でした。

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値下がりセクター上位となった「医薬品」は、総じてリスクオンの地合いの中で、協和キリン(4151)、アステラス製薬(4503)、

(後略)

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鈴木一之