「無電柱化」によって、広い空が再び戻る日も近い?

現在、放映中のNHKの大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」が好評です。18世紀中頃、江戸の出版界で活躍した「蔦屋重三郎(蔦重・つたじゅう)」の才覚ひとつによる出世物語と万事開けっぴろげな下町の人間関係が話の本筋、縦糸です。

横糸には江戸城を舞台とした将軍家のお世継ぎ問題や、田沼意次を中心とした血みどろの権力争いが配されており、まさに波乱万丈の物語が進みます。

主人公「蔦重」を演じる横浜流星さんのちゃきちゃきの江戸弁や、日本最大の遊郭・吉原大門の裏側など、これまであまり触れることのなかった舞台装置を含めて、ドラマの本筋以外にも見どころも満載です。

主人公・蔦重が店を構えるのは花のお江戸の中心地、日本橋です。道幅の広い大通りには市井の人々が大勢行き交い、建物は木造2階建てと低く、空が広々と見えます。まだ電気のない時代なので、電柱は1本もありません。電柱のない空はこれほど広く見えるものかとあらためて気づかされます。

話が脱線しましたが、今回のテーマは「無電柱化」です。無電柱化とは、町中から電柱をなくすことです。道路の脇の電柱をなくせば、歩行者の歩くスペースを広く確保し、道路上の空間から電線が消えるため景観もすっきりとします。さらに、大きな地震や台風などで電柱が倒れて交通の妨げになることも防止できます。