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2020年2月25日

新型肺炎の感染拡大に戦々恐々

鈴木一之

◎日経平均(21日大引):23,386.74(▲92.41、▲0.39%)

◎NYダウ (21日終値):28,992.41(▲227.57、▲0.77%)

 

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鈴木一之です。マーケットは先行きの不透明感に一段と警戒心を強めています。新型肺炎の拡大が収まる気配を見せておりません。

 

発信元となった中国・武漢では工場の操業停止の期間がまた延長されました。当初の2月20日再開の予定だったものが、3月10日に伸びています。全人代の開催も3月5月の予定から延期される見通しで、新たな日程は今週中に発表されることになります。

 

日本に停泊中のクルーズ船からは陰性と判定された乗客の下船がすべて完了し、日本人乗客に関してはそのまま自宅に戻って、それぞれの自宅で2週間にわたる外出自粛などの措置をとります。しかし陰性と判定された乗客の中からも感染者が1名、確認されたばかりです。

 

外国人の乗客は帰国したのちに隔離期間で2週間を過ごすことになります。2月3日に横浜に停泊して以来、世界中が見守る中で緊迫した状況が続いてきましたが、便宜置籍船の問題や管轄権に関して、あらためてダイヤモンド・プリンセス号は大きな問題を提起しました。

 

いずれにしろ中国という国際貨物の中心地の経済が止まったままの状態で、観光客を中心に消費活動もままならず、世界経済は下方修正が必至の情勢となりつつあります。

 

G20財務相会議がサウジアラビアで開催され、新型ウイルスの感染拡大、および世界的なリスクの監視を強化する方針を確認して閉幕しました。参加各国は財政出動など、あらゆる政策手段を動員して世界景気の下支えを強化することになりました。

 

その一方で日本でも、感染経路のはっきりとしないまま感染する人の数が次第に増えています。感染ルートとしては、おそらくは春節前後に日本を訪れた外国人観光客からということになるのでしょうか。

 

専門家会議は「国内感染の早期にある」との認識に立ち、厚生労働省からは集団感染を防ぎ、感染者数が急増する事態を防ぐ対策を強化する方針を発表しました。

 

このまま感染の勢いが加速すると、各国政府は自国民に対して渡航先として日本に向かう際の注意を強化しかねません。

 

真っ先に消費の面では影響が出始めています。三越銀座店の来店客数は2月に入って前年比▲10%の減少で推移しています。インバウンド需要の少ないそごう・西武百貨店でも▲5%の減少です。主要な観光地では、京都が▲15%、横浜が▲10%、東京が▲6%、それぞれ前年と比べて減少しています。

 

東海道新幹線を有するJR東海の利用者数は、2月1日から2月19日までの期間、前年比▲8%の減少となっています。これは東日本大震災の直後、2011年5月の▲20%以来のマイナス幅だそうです。観光客の減少と企業の出張抑制が響いています。

 

イベントは次々に中止や延期が決定されています。札幌の雪まつりは平年の来場者数が300万人見込めるところ、今年は200万人にとどまりました。ベネチアのカーニバルは中止となりました。イベント保険の支払い額もかなりの金額にのぼるのでしょう。それらを含めて新たな着地点を模索して、株式市場は下値模索の状況が続いています。

 

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物色面での焦点はふたつあります。ひとつは自動車セクター、もうひとつは半導体セクターです。

 

円安もあって自動車株が予想以上に健闘しています。トヨタ(7203)、ホンダ(7267)、

 

(後略)

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鈴木一之