ブログ
2025年8月19日
日経平均は43,000円を突破、最高値を更新、堅調なマクロ経済が下支え

8月15日(金)、終値で日経平均は史上最高値を更新しました。
お盆休みの先週は1日だけ株価が下落しただけで、あとは連日の活況相場が続いています。新高値を更新する銘柄数も広がっており、しかも高値更新銘柄のかなりの部分が、今の株価水準でも配当利回りが3%以上という高いレベルにあります。これでは過熱感はなかなか生じません。
先行したTOPIXも週末には最高値を更新しています。「米・雇用統計ショック」に始まった米国での金融緩和期待は日を追ってさらに広がっています。ついにベッセント財務長官までがFRBに対して金融緩和を促すような見解を表明しました。
そして最高値更新とはいっても、機関投資家の多くが現在の上昇相場に乗り切れていない様子です。この相場はどこまで突き進むのでしょうか。
@@@@@
先週明らかになった新しい事実関係として、注目されるのは米中通商交渉の行方です。
トランプ大統領は8月11日(月)に大統領令に署名して、中国に対して一時停止している関税措置をさらに90日間延長することを決定しました。
日本をはじめ米国の貿易交渉はほぼ決着していますが、最も後回しにされた中国だけは例外です。いまだ交渉が続いており、その期間が延期されました。この措置によって米国が中国に対してかける追加関税は、相互関税の基本部分の10%とフェンタニル関税の20%、合計30%の状態が続くことになります(中国による米国への追加関税も10%)。
レアアースが交渉の切り札となっており、米国も中国に対してうかつには強硬な態度を取り切れません。このまま期限延長を繰り返して、低い関税をいつまでも続けてゆくシナリオも現実的な選択にのぼってきました。
@@@@@
米国では8月12日(火)に7月の消費者物価指数が発表されました。前年同月比+2.7%となり6月比で変化なし、市場の予想を下回りました。FRBによる9月の利下げが一段と確度が高まったとして、政策金利に近い2年物の国債利回りが低下しています。
4月の関税スタートから4か月が経ち、その影響がどこまで物価を押し上げるかという点が注目されました。
しかし物価はほとんど上昇しておりません。その理由として、日本の自動車メーカーのように米国への輸出企業が関税の負担増の部分を肩代わりしているためと指摘されます。
ただしそれも、トヨタやホンダの4-6月決算に現れているように、関税の影響は想像以上に小さなものにとどまっています。
物価統計の落ち着きを見て、8月13日(水)にベッセント財務長官は、ブルームバーグのインタビューに対して、FRBの政策金利は「どのモデルをみても1.5-1.75%、引き下げるべきだろう」と指摘しました。先日の雇用統計での下方修正を問題視しています。
また日本に対しても、私見と断った上で「インフレを制御するために利上げすべきだ」と述べています。
@@@@@
これらの諸々の材料に支えられて、先週は日本と米国で株価が同時に上昇しました。どちらも史上最高値を更新しています。日経平均は史上初の43,000円台に終値ベースで到達しました。
米国の金融緩和期待、関税問題のひとまずの決着、その影響の軽微さ、米国と日本の企業業績の堅調さ、日本株の出遅れ感の修正、などが挙げられ、それが一度に起こっています。
海外投資家が日本株を買い上がるもうひとつの理由として、石破首相の後継者問題、自民党総裁選の実施があります。後継首相が誰になるかによって、状況次第では財政拡大路線が復活する可能性が高まっています。
参院選以降、日本では水面下で政局の波乱含みの動きが続いています。先週「終戦の日」の首相式辞に続いて、今週は横浜でのアフリカ開発会議(TICAD9、8月20-22日)という重要日程が予定されています。
それが終われば自民党総裁選の前倒しがクローズアップされ、8月19日(火)からは「総裁選挙管理委員会」での会合、初の前倒し総裁選に向けた検討、手続きも始まります。
@@@@@
自民党に限らず今の既成政党はいずれも、選挙を行えば行うほど議席数を減らすことになりかねない状況にあります。シルバー民主主義での戦い方しか知らない既成政党が、20-40代の若い世代にどこまで訴えかける政治を実現できるのか。消費減税か、年金改革か。財政面での新たな政策が問われる夏が終盤を迎えています。
日本経済の現状はしっかりしています。8月15日(金)に発表された4-6月期の実質GDPは前期比+0.3%、年率換算+1.0%となりました。市場予想は年率+0.3%でしたので、それを上回る大幅な伸びです。
これで5四半期連続でプラスとなりました。個人消費が前期比+0.2%、設備投資が+1.3%、住宅投資が+0.8%といずれも堅調です衣料品、食料品が伸びており、ソフトウエア投資も活発です。この経済データも週末の株価上昇をリードしています。
@@@@@
@@@@@
先週の東京株式市場は、TOPIXが大きく続伸しました。上昇率は+2.76%となり、前の週の+2.56%に続いて大台が次々と変わっています。週末の日経平均は終値での最高値更新にとどまっていますが、TOPIXはザラ場高値でも最高値更新となっています。
規模別指数では、大型株指数の上昇が継続しています。先週も+3.50%上昇し、前の週の+5.93%に続いて上昇をリードしています。先行した中・小型株も堅調で、中型株指数の上昇率は+1.66%、小型株指数は+0.26%と小幅ながら続伸しています。
中型株指数は10週連続、小型株指数は6週連続の上昇を記録しています。東証グロース250指数(旧マザーズ指数)も2週連続で上昇しました。
スタイル別ではバリュー株の優位が続いています。大型バリュー株は+3.67%の上昇で4週連続の上昇。そこに出遅れていた大型グロース株が+2.20%でようやく動きが始まりました。
一方で小型バリュー株は+0.49%、小型グロース株も+0.03%と相対的に動きが鈍くなっています。先週は決算発表シーズンの終盤で、ようやく小型株全般に出番が到来したというところでしょうか。
。
東証プライム市場の騰落レシオ(週末値)は、8月13日(水)に155.21%まで上昇した後、週末は139.28%で終わりました。これで過熱圏とされている120%ラインを16日連続で超えています。
「物色の二極化」が強まっており、日経平均が上昇した日も物色面では全面高にはなりにくいため、騰落レシオの上昇はそれでも抑えられています。
日経平均のサイコロジカルラインは「6」から「7」を続けた後に、週末は「8」まで上昇しました。7月10日以来の高い水準です。
@@@@@
TOPIX-17業種の騰落では16業種が上昇し、「食品」の1業種だけが下落しました。
値上がりセクターのトップは「銀行」です。もともと決算内容が良好だったところにベッセント財務長官による「日本は(出口戦略に関して)後手に回っている」との発言が伝わり、日銀による金利引き上げが再開されるとの見方が週末にかけて強まりました。
三菱UFJFG(8306)が上場来高値を更新し、みずほFG(8411)、三井住友FG(8316)、りそなHD(8308)の大手銀行が大幅高となりました。
地銀でもめぶきFG(7167)、北國FH(7381)、コンコルディアFG(7186)、九州FG(7180)、ゆうちょ銀行(7182)など全面高の状況です。最後まで残された低バリュー株、高利回り株として人気が集まっています。
値上がりセクターの第2位は「電力・ガス」です。地方銀行株と並んで地方経済の要が電力会社です。原発の再稼働をはじめデータセンター投資の継続による電力不足、再エネシフトを含めた電力設備投資、いずれも話題性は十分のセクターです。
これも出遅れ修正の一環として東京電力HD(9501)を筆頭に、関西電力(9503)、九州電力(9508)、北海道電力(9509)など、電力株が全面高となりました。東京ガス(9531)、大阪ガス(9532)も堅調です。
値上がりセクターの第3位は「鉄鋼・非鉄」です。先行した光ファイバーのフジクラ(5803)は上場来高値を連日更新して安泰です。住友電工(5802)、古河電工(5801)の堅調と言えるでしょう。
それに加えて三井金属(5706)、JX金属(5016)、日本軽金属HD(5703)の純然たる非鉄セクターが軒並み大きく上昇しました。半導体の素材メーカーとして、あるいは自動車軽量化のカギを握るアルミ精錬会社として、あらためて注目度が高まっています。
高利回り銘柄が多いのもこのセクターの大きな特徴でもあります。
@@@@@
反対に値下がりセクターのトップは「食品」でした。ディフェンシブ株の主役級なので相場全体の上昇局面には乗りにくいのも事実ですが、食材費の高騰で収益が厳しいところも多いようです。
山崎製パン(2212)、雪印メグミルク(2270)、寿スピリッツ(2222)、アサヒグループHD(2502)などが軟調でした。その一方でキリンHD(2503)や不二製油(2607)には堅調な動きが見られました。
上昇したセクターの中でも上昇率の鈍かったところは「運輸・物流」と「商社・卸売」です。トラック輸送のニッコンHD(9072)、NXHD(9147)、山九(9065)など、これまで堅調だった銘柄の上昇がいったん止まりました。
反対に東急(9005)、
(後略)
