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2020年8月12日

3連休を控えて上昇一服、前週の下げ分は取り返す

鈴木一之

◎日経平均(7日大引):22,329.94(▲88.21、▲0.39%)
◎NYダウ(7日終値):27,433.48(+46.50、+0.16%)

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鈴木一之です。8月に入って猛暑日が続いています。例年になく梅雨明けが遅れていましたが、今年も暑い季節がやってきました。野菜の値段が騰がっています。

今年もまたお盆がやってきます。今年のお盆休みはコロナウイルスの影響で、故郷に帰省することまで自粛されているとか。おじいさん、おばあさんにとってはお孫さんと会うことができず、とても残念な夏休みです。

私自身は東京で生まれ育ったため、帰省というものを経験したことがなく、夏休みのたびにふるさとに帰る友だちをうらやましく思ったものでした。いまやお墓参りもリモートで済ますことができるそうで、便利な世の中になったものです。

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今週のマーケットは全体に値を戻す一週間となりました。前の週の週末に日経平均が6日続落して、週末に▲629円も下落した下げ幅をそっくり取り戻しました。決算発表に株価がストレートに反応しています。円高・ドル安も一服しました。

原動力は何と言っても、米国市場の活況です。NASDAQは週末こそ下落しましたが、それまで7連騰を記録して初の11,000ポイントに乗せました。史上最高値を連日のように更新しています。

牽引役はここでも「GAFAM」です。アップルが前の週の週末に1日で+10%も急騰しました。時価総額が世界最大、1兆ドルのアップルが+10%も値上がりするほどの爆発力をいまだに維持しています。相場はまだまだ若い、ということになります。

「GAFAM」の中では「M」に注目が集まった週でもあります。マイクロソフトがバイトダンスの「TikTok」の北米部門を買収する交渉に入った、というニュースが週初に伝わりました。トランプ大統領もそれなら認めるということです。

これはマイクロソフトにとって朗報です。6000万人分のデータが手に入ることになります。大統領選を間近に控えて、米国による中国への締め付けはますます厳しくなる一方ですが、習近平主席率いる中国の横暴さを非難する風向きも強まっています。

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コロナウィルスに関しては、米国ではあいかわらず感染者数が増加を続けています。それでも、感染者数の増加ペースが鈍化しつつあるのも事実です。ワクチン開発については具体的な新ニュースは出ておりませんが、水面下では治験の第3相が粛々と進められており、近々に朗報が届けられることを期待するムードも高まっています。

それに連動しているのが台湾をはじめとしたアジア各国のテクノロジー株です。日経アジア300指数は、すでに今年1月の高値を抜くか、それに迫っています。仮に東京市場が現在のアジア市場に追いつくとなると、日経平均は24,000円を超えることになります。

ただし日本ではテクノロジー銘柄の日米間の連動性が弱まってきました。米国で半導体株が買われても、日本で同じように半導体株が上昇することが薄れています。背後にはやはり米中対立の激化、ファーウエイに対する排除の要請があろうかとも考えられます。

しかしそれではなぜアジア各国は米国市場に連動するのか、と問われるとうまく説明がつきません。実際に半導体株はコロナ危機のここまでのコロナ危機の過程ですでに大きく買われているだけに、いつ天井感がやってきてもおかしくない水準まで到達していることも事実です。

それ以上に今回の決算発表を受けて、予想外に業績の落ち込みの少なかった銘柄、好調を持続している銘柄、売られ過ぎてしまった銘柄への買い意欲が強まっています。トヨタ自動車(7203)の通期黒字キープの決算に対して、市場の信頼感が戻りつつあり、それに伴って期間工の採用再開を目安、製造請負をはじめ人材派遣会社にも買いの手が広がりつつあります。

コロナ危機は、スペインやドイツなど欧州の一部で再びロックダウンを選択する地域も出ています。しかし国全土を挙げて経済を止めるというところまでには至っておりません。4-6月期GDPも出そろいつつあり(日本は8月17日に発表予定)、最悪の最悪というところまで織り込んだということでしょうか。

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先週の東京市場は、TOPIXが3週ぶりに反発しました。前の週の大幅安(▲4.89%)をかなり取り戻して、週間での上昇率は+3.39%に達しています。

広範囲な上昇となりましたが、中でも小型株、およびバリュー株の上昇が顕著です。東証マザーズ指数は+8.03%と大きく値上がりしました。上昇率では5月22日の週の+10.38%以来のレベルです。

バリュー株も前の週の下げ分を大きかっただけに、週を通じて堅調でした。同時にグロース株もかなり戻しています。

東証1部のセクター別の騰落では、TOPIX-17業種のうちすべての業種が値上がりしました。前の週はすべての業種が下落して、反対にこの週はすべてが上昇しました。

上昇の目立ったセクターは、トップが「自動車・輸送機」です。トヨタが木曜日のザラ場中に1Q決算を発表し、大幅減益となりましたが通期の最終黒字を明らかにしたことが好感されました。

自動車が買われるとその材料となる「鉄鋼・非鉄」も買われます。続いて「運輸・物流」や「エネルギー資源」も大きく上昇しました。

「不動産」も久しぶりに買われています。7月の東京都心部のオフィス空室率は2.77%まで上昇しました。5かカ月連続の上昇で、在宅ワークの広がりでオフィス需要が減退しているという見方を裏付けています。

反対に上昇の小さかったセクターとしては、「電機・精密」がワーストでした。それに続いて「医薬品」や「小売」など、このところ堅調だったセクターが下位に回っています。

値上がり業種のトップが「自動車」で、その反対のワーストが

(後略)

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鈴木一之